2011年05月26日

ふなずし(滋賀県)

平安時代から近江地方に伝わる代表的な
「なれずし」で、フルーチーズに似たにおい
と酸味からなるこの風味は「鼻まがり」の
異名をもつ。
 四、五月に箆巳湖でとれる子持ちのげん
ごろうぶなを用いる。うろこと内臓をとり
除き、水洗いして塩漬けにする。土用のこ
ろにおけから出して塩を洗い出し、ご飯と
ふなとを交互に重ね、重石をして漬け込む。
半年ほどで発酵するため食べられるように
なるが、一年以上漬け込んだものが骨まで
軟らかくなっておいしい。
 食べるときには、発酵したご飯をとり除
いて、薄く切ったふなだけを食べてもよい。
総菜に、お茶漬けに、酒の肴にもよく、熱
湯を注ぐだけの椀だねとしても独特の風味
が生きる。

 発酵による強烈なにおいとくせを抑えた
ものが、ふなずしの甘露漬け。幕府へ献上
するふなずしの変質防止に考えられたもの
で、清け込むときに酒かすを加える。


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Posted by よしよし先生 at 22:50 │料理の解説

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ふなずし(滋賀県)