2011年04月12日

すだち(徳島県)

秋を句とする緑色の柑橘頬で、大ききは
ピンポン玉くらい。「酸橘」と書く。ゆずの
近縁種とも、偶発実生ともいわれ、江戸時
代後期ごろから自家用として栽培されてき
た衝島娘の名産である。
 レモンよりも酸味がおだやかで、ゆずほ
ど苦味もなく、果汁も多い。芳香があるの
で日本料理に多く使われている。二つに割
って果汁をしばり、刺身、焼き魚、天ぶら
などにかけたり、吸物、漬け物、あるいは
紅茶やウイスキーなどに入れる。とくに、
さんまの塩焼き、まつたけの土びん蒸しな
どには欠かせない。

 すだちは耐寒性が強いので、普通の柑橘
類とは逆に、日あたりが悪い北向きの傾斜
地とか、昼夜の温度差が激しい山間部の方
が良質のものが実る。これらの条件を満た
す神山町龍野産のすだちが名品として知ら
れている。
 ゆずとともにボン酢の代表のようにいわ
れているが、「氏より育ち」をもじつて「ゆ
ずよりすだち」と言ったのは、作家の里見
淳である。  


Posted by よしよし先生 at 01:04県別名産